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マウスピース矯正の仕組みが知りたい!メリット・デメリットも紹介

マウスピース矯正は歯列矯正の方法のひとつで、透明な装置を使用するため目立ちにくい治療法です。

しかし装着するだけで噛み合わせがどのように改善されるのか、その仕組みが気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、マウスピース矯正の特徴や歯が動く仕組み、マウスピース矯正によるメリットやデメリットを紹介します。

マウスピース矯正の検討をしている方が気になる、変化を実感する時期についても紹介するため、矯正方法を選択する際の参考にしてください。


■マウスピース矯正とは

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と並んで知られる代表的な歯列矯正の方法で、その名の通り、マウスピースを使用して歯列矯正を行います。

ここではまず、マウスピース矯正について詳しく紹介します。

マウスピースで動かしたい方向に力をかける

マウスピース矯正は、歯を動かしたい方向へと少しずつずらした形のマウスピースを作成し、定期的に交換しながら装着し続けることで歯に力をかける矯正方法です。

一般的な例として、1〜3年ほどかかるとされる全顎矯正の場合、治療開始から終了まで約40〜50枚のマウスピースを用意する必要があります。

1日20〜22時間以上の装着を推奨されており、1〜2週間に1回の頻度で順番通りにマウスピースを交換する必要があります。

マウスピース矯正は、経過をスムーズに進めるために、医師の指示通りに自己管理を行う必要がある矯正治療です。

3Dスキャナーによる型取りとシミュレーション

マウスピース矯正にはさまざまなブランドがありますが、日本では特に、世界的にも有名な『インビザライン』が広く普及しています。

インビザラインの治療計画では、印象材による型取りを行った場合と、口腔内を3D光学スキャナー(iTero)で撮影してデータを取得した場合の2パターンがあります。

どちらもデータとしてコンピューターに取り込むため、治療計画に則ってどのように歯が移動していくかをシミュレーションで見ることが可能です。

不安や疑問はシミュレーションの時点で確認し、了承すればマウスピース(アライナー)が発注されます。

また、矯正開始から終了までに使用されるマウスピースは、全体分を一括で作成し、送られてくるのが一般的です。

マウスピースはまとめて渡される

マウスピースを患者さんに渡す場合、全てを先に渡すクリニックもあれば、ある程度の枚数ずつまとめて渡すクリニックもあります。

医師の指示通りに順番に交換しながら矯正を進めていくため、患者さんの自己管理が必要かつ重要になります。

しかし、以下のようなことが原因で、作り直しになる場合があるため、注意が必要です。

  • 指示通りに装着していないため、計画とのズレが生じた
  • 熱湯で洗ったり踏んでしまったりして変形した
  • 計画通りに歯が移動しなかった
  • 紛失した

合わないマウスピースでは歯に正しい力を加えられないため、その時点での口腔内のデータを取り直し、それ以降のマウスピースは作り直しになります。

また、新しいマウスピースが届くには約1ヶ月かかります。

マウスピースをまとめて受け取った際には、保管やメンテナンス・取り扱いにも十分注意しましょう。

マウスピース矯正の補助装置

マウスピースだけでは難しい歯の移動を行う際、以下のような補助装置を使用することがあります。


アタッチメント

マウスピース矯正のアタッチメントは歯に装着するもので、マウスピースの矯正力をコントロールすることが可能です。

マウスピースの同位置にあるくぼみを引っかけて力を加えることで、水平移動や傾斜、歯を引っ張り上げたり押し込めたり、回転するなどさまざまな移動が実現します。

歯とほぼ同色の樹脂でできていますが、凹凸が目に付く場所になってしまう場合があります。


顎間ゴム

顎間ゴムはゴムかけともいい、上下の噛み合わせを改善するための補助に使用する、医療用の輪状のゴムを引っかけて力を加えるものです。

ゴムには以下のように、いくつかの種類があります。

ゴムの種類 適応症例と使い方
Ⅱ級ゴム
  • 主に出っ歯に使用して、上顎を後方へ、下顎を前方へ引っ張る
  • 上の犬歯と、下の奥から2番目の歯にかける
Ⅲ級ゴム
  • 主に受け口に使用して、上顎を前方へ、下顎を後方へ引っ張る
  • 下の犬歯と、上の奥から2番目の歯にかける
クロスゴム
  • 交叉咬合・鋏状咬合に使用
  • (上の歯の裏側と下の歯の表側など)上下の同じ歯にかける
垂直ゴム
  • 開咬に使用
  • 上下の同じ歯に対して表側にかける

歯の表面に設置するボタンと呼ばれる突起や、マウスピースを加工したフックや切れ込みなどにかけますが、マウスピース同様に自己管理で行うため、正しくかけるよう注意が必要です。


■歯列矯正で歯が動く仕組み

歯列矯正で歯が動く仕組みは、マウスピース矯正もワイヤー矯正も基本的に同じです。

ただし、症状や希望によってどの方法が選ばれるかの違いはあります。

ここでは、歯列矯正で歯が動く仕組みについて紹介します。

1.矯正装置で歯に力をかける

マウスピース矯正は上述した通り、歯を動かしたい方向へと少しずつずらす形のマウスピースを、定期的にかつ順番に交換しながら装着し続けて歯に力をかける矯正方法です。

歯列矯正で歯を動かすときは、以下のような歯の根やその周りに存在する歯周組織に働きかけます。

歯根 歯茎に埋まっている歯の根の部分
歯冠部 歯茎から見えている歯の部分
歯槽骨 顎の骨の一部で、歯根がはまっている
歯根膜 歯槽骨と歯根の間をつなぐ、繊維状の膜

歯に対して少しズレのあるマウスピースで力をかけることは、これらの歯周組織に影響を与え続けることになります。

2.歯根膜の厚さが変わる

マウスピースで力をかけると、歯根膜にその力が伝わって、膜の厚さが変化します。

歯根膜は弾力のある繊維状の組織で、噛んだ時の衝撃を抑えるクッションの役割がありますが、マウスピース矯正で力が加わると、歯根膜に次のような変化が起こります。

歯を動かす方向の歯根膜 歯槽骨と歯根に挟まって圧迫され、歯根膜が薄くなる
反対側の歯根膜 歯槽骨から歯根が引き離され、歯根膜が引き伸ばされ厚くなる

このように、歯を動かそうとする方向によって、歯根膜の厚さが変化します。

3.歯根膜の厚さを元に戻そうとする

歯根膜は、厚さが変わると元に戻ろうとする特徴があるため、厚さの変化によって骨代謝が活発になり、以下の2つの細胞が重要な役割を果たします。

破骨細胞の活発化 圧迫されて薄くなった歯根膜を元の厚さに戻すため、歯の移動先の歯槽骨を溶かしてスペースを作ろうとする
骨芽細胞の活発化 引っ張られて厚くなった歯根膜を元に戻すため、歯の移動でできる隙間に新しい骨を作ろうとする

普段は常に活動している2種類の骨細胞ですが、マウスピース矯正で歯根膜に一定の力が伝わると、膜の厚さを元に戻そうと活性化し、歯が動こうとする方向に向かって骨代謝を促します。

4.歯槽骨の形が変わる

マウスピースによって歯に力をかけると、「骨を溶かす」「骨を作る」という2つの骨代謝によって、顎の骨の一部である歯槽骨の形が変わっていきます。

すると歯根膜の厚さが元に戻り、歯が安定します。

この一連の仕組みを、定期的なマウスピースの交換を行いながら繰り返すことで、理想的な噛み合わせを目指して歯を移動させるのがマウスピース矯正です。


■マウスピース矯正の効果の実感はいつ頃?

マウスピース矯正は、最初はきつかったマウスピースの着け心地が数日のうちに楽になっていくように、少しずつ効果が表れてきます。

しかしマウスピース1枚で可能な移動距離は一般的に約0.25mmといわれており、1〜2週間ごとに交換してマウスピースを4枚使用すると、目安としては1〜2ヶ月の使用により約1mm動く計算です。

見た目で実感したと言えるかどうかは難しいところでしょう。

移動距離の他にも、効果の実感に影響を与える要因には、不正咬合の種類や年齢、体質、生活習慣など、いくつかあります。

スペースがない場合の叢生や奥歯から順に移動する必要がある出っ歯や受け口などは、移動も時間がかかります。


一方、抜歯でスペースが確保されている場合や、目立つ前歯のねじれを治す場合などは、個人差はありますが効果が分かりやすいでしょう。

また、成長期にあったり代謝が活発な年代は歯が動きやすく、30代以降や生活習慣が乱れている方は骨代謝が活発ではない傾向にあるため、歯の移動もゆっくりです。

一般的には、マウスピース矯正で視覚的に変化を感じられるようになるには、矯正開始から3ヶ月ほど経過した辺りからとされています(個人差があります)。

効果の実感を得やすくするために、何よりも計画通りの装着を心がけましょう。


あなたに合わせて選べる矯正

■マウスピース矯正のメリット

マウスピース矯正の特徴には、ワイヤー矯正と比較した時に患者さんの多くの悩みに対処できる点があります。

マウスピース矯正のメリットについて紹介します。

矯正しているのがバレにくい

矯正治療に使用されるマウスピースは透明な素材で作成されているため、装着時に目立ちません。

また、インビザラインは一般的に厚さも0.5mmと薄いため、噛んだ時の違和感はあるものの、見た目への影響は大きいものではないといえます。

相手の方と会話するときや、人前に出て話す仕事の方など、多くの場面で見た目が気になる方に多く選択されます。

取り外しが可能

1日20〜22時間以上装着していなければいけない装置ではありますが、イベントやデートなど、どうしても普段通りの過ごし方を希望する場合、外すことが可能です。

食事のときは気にせず楽しめて、歯磨きもしやすいため口腔内を清潔に保てます。

メンテナンスもしやすく、リスクが軽減される傾向があります。

痛みや違和感が軽減される傾向がある

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて痛みや違和感が軽減される傾向があります。

ワイヤー矯正では金属製の装置を使用するため、口腔内が傷つきやすかったり、感触に違和感を覚えたりすることが少なくありません。

また、歯全体に均等に力を加える方法のため、特定の歯に負担がかかりにくく、歯の移動の痛みも比較的少なく済みます。

痛みに弱い方や口内炎になりやすい方などは、マウスピース矯正を選択肢として検討することが推奨されます。

シミュレーションを確認できる

マウスピース矯正の場合、マウスピースを作成する際にコンピューターにデータを取り込むため、歯が動いていく経過をシミュレーションで確認できます。

結果をイメージできることは、モチベーションのアップにつながり、計画通り丁寧にマウスピースの交換を管理する原動力になります。

契約前に見ることで、治療計画の信憑性も増すため、納得して治療を進められるでしょう。


■マウスピース矯正のデメリット

マウスピース矯正のメリットだけでなく、デメリットを知っておくことも大切です。

マウスピース矯正のデメリットを紹介します。

自分で管理する必要がある

マウスピース矯正の場合、自己管理が結果に影響を及ぼします。

マウスピース矯正では、以下について自分で管理しなければいけません。

  • 1日20〜22時間以上の装着
  • 装着前には必ず歯磨きをする
  • 適切な時期に適切な順番でのマウスピースに交換

自分で管理するのは大変ですが、毎月1回の通院が必要なワイヤー矯正に比べると、自己管理することで通院頻度が約3ヶ月に1回で済むことはメリットともいえます。

着けたままでは食事ができない

矯正用マウスピースは、食事のときは外す必要があります。

また、マウスピースの装着中は、水または無糖の炭酸水以外の飲食が禁止されているため、食事の度に外すことに面倒を感じる方にとっては、デメリットと感じることもあるでしょう。

しかし、マウスピースを外すのは簡単で、外せるからこそ違和感なく食事ができ、食後の歯磨きもしやすいため、一概にデメリットとはいえないでしょう。

症例が限られる

マウスピース矯正は、軽度から中等度の不正咬合に適しています。

抜歯が必要な症例や重度の出っ歯や受け口・開咬・叢生など、大きな歯の移動が必要な症例の場合、マウスピース矯正では限界があります。

これらの症例の場合、ワイヤー矯正で対応するか、骨格性が原因の場合は外科手術を伴うなど、他の方法の検討が必要です。


■まとめ

マウスピース矯正は、歯列矯正で最も患者さんが気にすると考えられる、見た目への影響の少なさや取り外しの自由度などを理由として、選択されやすい歯列矯正の方法です。

しかし、マウスピース矯正で望む結果を実感するためには、1日の装着時間やマウスピースの交換のタイミングなど、歯の移動の仕組みを上手に利用した適切な自己管理が非常に重要です。

名駅大森ピア歯科・矯正歯科では、年間150症例以上の治療を行ったことで認定される資格を持ち、インビザラインによる歯列矯正の他、治療時のさまざまなリスクにも精通している歯科医師が対応します。

マウスピース矯正が気になっている方、検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。


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