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部分矯正をおすすめしないと言われる5つの理由とは?適したケースと事前の確認ポイント


部分矯正は、短期間で歯並びを整えられる便利な治療法として注目されていますが、全ての症例に適しているわけではありません。


特に、「部分矯正をおすすめしない」と言われる理由には、噛み合わせの悪化や完成度の限界、後戻りのリスクなどが挙げられます。


この記事では、部分矯正のデメリットや適しているケース、全体矯正との違い、治療を検討する際に確認すべきポイントを解説します。


■部分矯正をおすすめしないと言われる5つの理由

部分矯正をおすすめしないと言われる5つの理由


部分矯正は、軽度の不正咬合を短期間で改善できる治療法ですが、全ての症例に適しているわけではありません。ここでは、部分矯正がおすすめされない主な理由を解説します。

噛み合わせが悪化する可能性がある

部分矯正は歯列の一部だけを動かすため、噛み合わせ全体に悪影響を及ぼす場合があります。


例えば、前歯だけを整えても奥歯との噛み合わせがずれてしまい、顎関節症や肩こり、頭痛など全身への影響が出るリスクがあります。


また、特定の歯に負担がかかりすぎることで歯の寿命を縮める可能性もあるため、噛み合わせが複雑な症例では、全体矯正によるバランス調整が必要です。

全体矯正と比較すると完成度が低くなる

部分矯正は見た目の改善に特化しているため、全体的な仕上がりには限界があります。一部の歯だけを動かすと、全体のバランスが崩れたり、不自然な見た目になる可能性もあります。


一方、全体矯正では骨格や噛み合わせも考慮して調整できるため、見た目と機能性の両方に優れた仕上がりが目指せる特徴があります。


完成度の高い仕上がりを求める方には、部分矯正はあまり適していないかもしれません。

後戻りがしやすい

部分矯正は、一部の歯並びを整えるだけで根本的な原因を解決しないため、治療後に歯が元の位置に戻ってしまう『後戻り』が起こりやすい傾向があります。


特に噛み合わせや骨格に問題がある場合、部分矯正では十分に対応できず、再治療が必要になることもあります。


長期的に安定した結果を求めるなら、全体矯正による包括的なアプローチが適しています。

歯を削る必要がある

部分矯正では、スペース不足を解消するために健康な歯のエナメル質を削る可能性があります。


安全な範囲内で行われますが、一部の患者さんには抵抗感があるでしょう。また、削った部分から知覚過敏や虫歯リスクが増加する可能性も否定できません。


健康な歯質を守りたい方や削ることに抵抗がある方には、この点はデメリットといえます。

適応できる症例が限られる

部分矯正は前歯の軽い乱れや隙間などの軽度の症例にのみ適応され、骨格的な問題や奥歯の噛み合わせに問題がある場合には対応できません。


また、重度の叢生(乱ぐい歯)や開咬(前歯が噛み合わない)などの場合には全体矯正が必要です。


適応外症例で無理に部分矯正を行うと、期待した結果にならないどころか、新たなトラブルを引き起こす可能性があります。


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■部分矯正が適しているケース

部分矯正が適しているケース


部分矯正は、軽度の不正咬合や特定の条件を満たす症例において、短期間・低コストで効果的な治療法です。ここでは、部分矯正が適している具体的なケースを解説します。

軽度の歯列不正

部分矯正は、歯並びの乱れが軽度である場合に有効です。例えば以下のような症例が該当します。


  • 前歯のわずかな重なり(叢生)
  • 軽度の出っ歯(上顎前突)
  • 前歯の隙間(すきっ歯)
  • 歯が少し傾いている状態

軽度の不正咬合であれば、全体矯正を行わなくても、部分的な治療で見た目を大きく改善できます。また、治療範囲が限定されているため、治療期間が短くなる点も大きなメリットです。


ただし、重度の乱れや奥歯を含む広範囲の不正咬合には対応できません。

噛み合わせに問題がない

部分矯正は主に前歯の見た目を整える治療法であり、奥歯や噛み合わせ全体を調整することはできません。そのため、以下の条件を満たす場合に適しています。


  • 奥歯の噛み合わせが正常である
  • 噛み合わせによる顎関節症や咀嚼機能への影響がない

噛み合わせに問題がある場合や奥歯まで含めた調整が必要な場合には、全体矯正が推奨されます。診断時には専門医による詳細な検査を受けて決定しましょう。

後戻りの治療

過去に全体矯正を行ったものの、一部の歯が元の位置に戻る『後戻り』が発生した場合にも部分矯正は有効です。特に以下の場合に適しています。


  • 前歯のみ後戻りしている
  • 噛み合わせには影響がない軽度の後戻り

後戻りはリテーナー(保定装置)の使用不足や日常的な癖によって引き起こります。早期に部分矯正で対応することで、短期間かつ低コストで再調整が可能です。


ただし、後戻りが広範囲や重度の場合には全体矯正が必要になる場合もあります。

■部分矯正と全体矯正の比較と選択時のポイント

部分矯正と全体矯正の比較と選択時のポイント


部分矯正と全体矯正は、それぞれ異なる目的や特徴を持つ治療法です。どちらを選ぶべきかは、患者さんの症例に応じて判断されます。


ここでは、両者の違いと選択時のポイントを解説します。


治療目的

部分矯正は主に見た目の改善を目的とした治療法です。特に前歯など目立つ部分の歯並びを整えて、短期間で審美性を向上させることが可能です。


一方で、全体矯正は見た目だけでなく噛み合わせや機能面も含めた包括的な改善を目的とします。


そのため、結婚式や就職活動といった特定のイベントに向けて歯並びを整えたい方は部分矯正、長期的な安定性を求める方には全体矯正が推奨されます。

適応症例

部分矯正と全体矯正の適応症例は適応症例が異なります。


治療法 適応症例 適さない症例
部分矯正
  • 軽度の歯列不正(例: 前歯の隙間、軽い叢生)
  • 後戻り
  • 一部の歯だけが気になる場合
  • 奥歯や噛み合わせに問題がある場合
  • 骨格的な問題が原因となっている場合
全体矯正
  • 重度の叢生(乱ぐい歯)
  • 顎の位置異常
  • 骨格的な問題
  • 抜歯が必要なケース
  • 見た目だけを短期間で改善したい場合

部分矯正は、軽度な症例や特定部分の治療に最適です。例えば、前歯の隙間や軽い乱ぐい歯、矯正後に一部だけ戻ってしまった場合などが対象となります。


ただし、奥歯や噛み合わせ全体を調整する必要がある場合や、骨格的な問題が原因の場合には対応できません。


一方、全体矯正は、重度の症例や広範囲にわたる不正咬合に対応可能です。顎の位置異常や骨格的な問題がある場合にも適しており、抜歯を伴う治療も行えます。

軽度な症例は部分矯正、軽度~重度の叢生や骨格的な問題を含む症例には全体矯正が推奨されます。

治療期間

治療期間についても両者には大きな違いがあります。部分矯正は動かす範囲が限られているため、3か月から1年程度で治療が完了することが一般的です。


一方で全体矯正は歯列全体を動かす必要があるため、1年半から3年程度と長期間を要します。特に抜歯を伴う場合はさらに時間がかかる場合があります。

費用

部分矯正は治療範囲が限定されているため、費用が抑えられる点が大きなメリットです。


一般的には30~60万円程度で済むことが多く、短期間で見た目を改善したい方にとってコストパフォーマンスの良い治療法といえます。


一方で、全体矯正は歯列全体を対象とし、奥歯や噛み合わせの調整も含まれるため、装置や治療範囲が広がり費用が高額になります。


通常、80~130万円程度かかるケースが多く、治療期間の長さも費用に影響を与えることがあります。

完成度

完成度という観点では、部分矯正には限界があります。見た目重視で行うため、一部だけ整えることで全体的なバランスが崩れたり、不自然な仕上がりになる可能性があります。


一方で全体矯正では見た目だけでなく機能面も含めて高い完成度を実現可能です。


全体的なバランス調整も可能なため、美しさと機能性を両立した仕上がりを求める方には全体矯正がおすすめです。

噛み合わせの改善

噛み合わせへの影響についても、部分矯正と全体矯正では大きな違いがあります。


部分矯正は主に前歯など目立つ部分を整える治療法であるため、噛み合わせ全体の調整はほとんど行われません。


奥歯の噛み合わせや顎関節に問題がある場合には適していません。例えば、奥歯の位置がずれている場合や上下の歯がしっかりと噛み合わない場合には、部分矯正では根本的な解決が難しいです。


一方で、全体矯正では歯列全体を動かしながら噛み合わせを含めたバランス調整が可能です。これにより、咀嚼機能が改善されるだけでなく、顎関節への負担軽減にもつながります。


また、噛み合わせが整うことで食事や発音がスムーズになり、健康面でも多くのメリットがあります。長期的な安定性や機能性を重視する場合には、全体矯正が適しているといえるでしょう。

■部分矯正で後悔・失敗しないために!事前に確認すべきポイント

部分矯正で後悔・失敗しないために!事前に確認すべきポイント


部分矯正による後悔や失敗を避けるために、治療を開始する前に確認すべき重要なポイントがいくつかあります。


ここでは、矯正歯科医の資格、治療期間や費用、そして治療中のサポート体制について詳しく解説します。


矯正歯科医の資格

矯正歯科医の資格の有無は、部分矯正の成功を大きく左右する重要な要素です。


日本では歯科医師免許を持っていれば矯正治療を行えますが、専門的な知識と技術が必要なため、資格制度が設けられています。


確認すべき主な資格には以下のものがあります。


  • 日本矯正歯科学会認定医
  • 日本矯正歯科学会専門医
  • 日本成人矯正歯科学会認定医
  • インビザライン認定医
  • 舌側矯正認定医

矯正歯科医の資格は、日本矯正歯科学会認定医や専門医の資格を持っているかどうかを確認しましょう。高度な知識と技術を持つ矯正歯科医であることを示す指標となります。


また、インビザライン認定医や舌側矯正認定医などの特定の矯正システムの認定医資格も、その治療法に関する専門性を示すものです。

経験豊富な矯正歯科医を選ぶことで、適切な治療計画と高い技術による施術が期待できるでしょう。

治療期間や費用について具体的な説明

部分矯正は短期間で完了する点が魅力ですが、その期間は症例によって異なります。


一般的には3ヶ月から1年程度で終了することが多いですが、具体的な期間については事前の確認が必要です。


また、費用は30~60万円程度と全体矯正よりも抑えられるケースが多いですが、診療費や保定装置代などの追加費用が発生する場合もあります。


そのため、総額でどれくらいかかるのか、支払い方法(分割払いなど)についても詳しく相談しておくと安心できるでしょう。

治療中のサポート体制

矯正治療は長期間にわたるため、予期せぬトラブルや不安が生じる可能性があります。医院のサポート体制について、以下の点を確認しましょう。


  • 緊急時の対応
  • 定期検診の頻度と内容
  • 口腔ケア指導の充実度

矯正治療中は、単に装置の調整だけでなく、総合的なケアが必要です。


定期的な進捗確認と患者へのフィードバック、自宅でのケア方法や注意点の詳細な指導、痛みや不快感への対処法のアドバイスがあると安心できるでしょう。

■まとめ

部分矯正は短期間で歯並びを改善できる治療法ですが、噛み合わせの悪化や後戻りのリスク、適応症例の限界など、注意すべき点も多くあります。


一方で、軽度の歯列不正や後戻りには有効な場合もあるため、治療を検討する際は、自分の症例が適しているか、治療後のリスクや効果を十分に理解することが重要です。


専門医による診断を受け、自分に最適な治療法を選びましょう。


名駅大森ピア歯科・矯正歯科では、患者様一人ひとりの症例に合わせた最適な治療法をご提案します。


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