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歯列矯正ですきっ歯を治すには?かかる費用と期間を紹介

歯並びについて悩みを抱えている方は少なくありません。学生時代は気にならなかった歯並びも大人になるにつれ、意識し始める方は多くいます。近年では口元の美しさが重要視されるようになり、改善するために大人になってから歯列矯正を始める方も存在します。

歯並びの悩みの中でもすきっ歯は目立つ部分でもありますし、自信をもって笑顔を作れないと悩んでいる方も多くいるでしょう。この記事ではすきっ歯を歯列矯正で治すにあたって、費用や期間について解説します。

歯列矯正はすきっ歯には効果的な治療方法ですが、自由診療のためお金がかかりますし、矯正治療は時間もかかります。

「できるだけ安く治療したい」

「できるだけ早く治療を終わらせたい」

そのように考える方のために、すきっ歯の治療にかかる費用と期間の目安をご紹介します。

これから歯列矯正ですきっ歯を治そうと考えている方はぜひ参考にしてください。

すきっ歯とは

すきっ歯とは歯と歯の間に隙間ができている状態です。別名で空隙歯列とも呼ばれ、奥歯や前歯に関わらず、お口の中のどこかで隙間ができている状態を指します。

一方で上の前歯ですきっ歯ができている状態を正中離開と呼び、これは上の前歯ですきっ歯になっている状態にのみ使用する言葉です。


乳歯のうちはすきっ歯の状態が一般的です。大人の歯が生えてくるスペースを確保するために乳歯は隙間を開けて生え揃っていますが、大人の歯に生え変わっても隙間が埋まらないケースがあります。これが問題で、見た目が良くないだけでなく、虫歯になりやすかったり、発音しにくくなったりします。


先天的な要因ですきっ歯になってしまう方もいれば、後天的な要因ですきっ歯になる方もいます。自分の癖などですきっ歯になってしまった方は、歯列矯正をする以外にも癖を直す努力が必要になるでしょう。


なぜすきっ歯になる?

すきっ歯になる要因は先天的な要因と後天的な要因があるとご説明しました。先天的な要因とは骨や歯などの遺伝によるもので、生まれつきすきっ歯になる要素を持っていた方が成長に伴いすきっ歯になります。一方で後天的な要因とは舌の癖などで、日常無意識にやってしまう癖がすきっ歯へと導いてしまったケースです。

先天的な要因と後天的な要因について詳しく解説します。


先天的な要因


先天的な要因は主に4つの種類に分けられます。


  • 歯の本数が少ない
  • 上唇小帯が長い
  • 歯のサイズが小さい、もしくは顎が大きい
  • 正中埋状過剰歯がある

一つ目の歯の数についてですが、一般的には上下28本の歯があり、親知らずを含めると32本の歯が永久歯の数です。遺伝でこの数よりも歯の本数が少なかったり、歯茎の中にはあるものの生えてこないケースがあります。そうすると通常生えてくる部分に歯が生えてこないため、スペースがあまりすきっ歯となります。


二つ目の上唇小帯とは上の前歯の上部にある上唇と歯茎を繋ぐひだを指す言葉です。このひだが通常よりも長く発達している場合、前歯の間に入り込んでしまい、そこに隙間が生まれます。幼少期は発達しているひだですが、成長とともに短くなっていきます。ただ、まれに成長してもひだが短くならず長いままで成長してしまうケースがあるのです。


三つ目の歯のサイズですが、歯が小さいとその分隙間が生まれすきっ歯となります。一方で歯のサイズは一般的で、顎のサイズが大きい場合でもすきっ歯の原因となります。顎のサイズと歯のサイズがあっていないため、無駄なスペースが発生するのが原因です。


四つ目の正中埋状過剰歯とは、歯茎の中に余分な歯が埋まっている状態です。過剰歯が歯茎の中から押し出すように出てこようとするため、すでに生えている歯の間に隙間ができます。


このように先天的な要因にはいくつかの種類があります。次は後天的な要因について解説します。


後天的な要因


すきっ歯の後天的な要因はほぼ癖によるものです。頬杖や指しゃぶり、歯ぎしりなど気づかないうちにやっている癖が原因ですきっ歯になる可能性があります。また、舌で歯を押し出す癖もすきっ歯になる原因の一つです。自分では意識していないうちにやっている癖のため、すきっ歯になってから気づく方もいます。


その他に歯周病もすきっ歯の原因となるケースがあります。歯周病が進行すると歯を支えている骨が弱くなり歯が動きやすくなります。そのため、歯がぐらつき、隙間が生まれてしまうのです。また、歯周病以外に加齢でも歯を支える力は弱くなります。加齢によるすきっ歯も少なくありません。


このようにすきっ歯の後天的な要因は癖や歯周病などの病気によるものが多いです。後天的な要因ですきっ歯になってしまった方は、歯列矯正しつつ、癖を直していく必要があるでしょう。自分では気づかないものが多いですが、歯科医院で見てもらう際に歯のすり減り具合などで癖について指摘をしてもらえます。


すきっ歯を治すメリット


すきっ歯の治療は見た目以外にも多くのメリットがあります。歯列矯正には費用がかかりますが、それ以上に得られるメリットもありますので把握しておきましょう。また、異なる言い方をするとすきっ歯のままでいるデメリットも存在するということです。このまま放置するのかどうかは歯列矯正にかかる費用や期間とすきっ歯のままでいるデメリットを天秤にかけて考えましょう。

歯並びの改善


すきっ歯を改善するのは歯並びの改善とイコールです。歯並びは自分が想像している以上に恩恵を与えてくれます。


歯並びが改善されると口元がすっきりし、フェイスラインもスッキリして見えるようになります。また、歯磨きしやすくなるため丁寧にメンテナンスを実施でき、虫歯予防にもつながるでしょう。本人は気づきにくいですが、すきっ歯のままでの食事は食べ物を噛みにくく、食べづらい状態といえます。よく噛めないまま食事を続けていると胃腸にも負担がかかりますし、美味しい食事ができません。歯並びの改善により食べづらさの改善ができます。


見た目だけでなく、メンテナンスや食事の面でも歯並びの改善はメリットが大きい部分です。

虫歯リスクの提言


すきっ歯は食べ物が詰まりやすくなるデメリットがあります。食べ物が詰まったままにすると虫歯になりますし、歯垢となり歯周病にもなる可能性があります。隙間が広い場合であっても食べ物は詰まりにくいですが、歯磨きがしにくくなるでしょう。歯ブラシが届きにくいですし、汚れをかき出せず、磨き残しが発生します。


すきっ歯をそのままにするのは虫歯リスクを放置しておくのと同じです。虫歯リスクを低減できる点もすきっ歯を治すメリットの一つです。

発音しやすくなる


すきっ歯の方の中には「話しにくいな…」と感じた経験がある方もいるでしょう。歯と歯の間に隙間が空いているため、そこから空気が漏れ、発音しにくくなるのはすきっ歯特有の悩みです。特にサ行やタ行が言いにくくなり、自身の滑舌に自信がない方もいるのではないでしょうか。


すきっ歯を治すと歯と歯の隙間がなくなるため、発音の悩みは格段に減るでしょう。話すことはコミュニケーションに欠かせないですし、仕事でもプライベートでもストレスを感じてしまう悩みです。


発音しやすくなるメリットはすきっ歯を治すメリットの中でも大きなものと言えるでしょう。


見た目に自信が持てる


すきっ歯の方で見た目を気にしてしまう方は少なくありません。特に前歯に隙間が空いていると、目立ちますし、お顔の印象に影響を与えるでしょう。


すきっ歯を治すことで見た目の印象を気にする必要はなくなります。自信をもって食べたり、笑ったりできるでしょう。治療期間中は少し大変かもしれませんが、若いうちに治療をするのはおすすめです。その後の生活に彩が出るのであれば早めに治療をするべきでしょう。


コンプレックスの解消はすきっ歯の治療の大きなメリットです。

すきっ歯を治療法


すきっ歯の治療は大きく分けて3つあります。


  • ワイヤー矯正
  • マウスピース矯正
  • セラミック矯正

それぞれにメリットとデメリットがあり、かかる費用や期間も異なります。また、お口全体を矯正する全体矯正なのか、すきっ歯の部分だけ矯正する部分矯正なのかによっても費用や期間は異なります。自分でこの治療がしたい!という要望があったとしてお口の状態によってはできない治療もありますので注意しましょう。


まずは歯科医院にてお口の状態を診察してもらい、医師の指示に従って治療を進めるべきです。それぞれの治療方法について解説します。

ワイヤー矯正


ワイヤー矯正は全体矯正でも、部分矯正でもできる治療方法です。歯にブラケットと呼ばれる小さな部品を取り付け、そこにワイヤーを通します。すきっ歯の治療方法のなかでも多く取り入れられる方法で、軽度の症例から重度症例まで対応できる治療方法です。


ワイヤー矯正には歯の表面にブラケットを取り付ける場合と裏面に取り付ける場合があります。表面に取り付ける場合は舌に当たらないため、矯正治療中でも食事にあまり影響が出ません。裏面に取り付ける場合は、矯正治療していることが見た目ではわからない点がメリットです。また、舌で歯を押す癖がある方は、裏面のワイヤー矯正をすると癖の改善も見込めます。ただし、裏面のワイヤー矯正の方が費用が高くかかりますので覚えておきましょう。


ワイヤー矯正は多くの方が実施している方法ですが、裏面のワイヤー矯正に関しては対応している歯科医院が限られます。どうしても裏側のワイヤー矯正がしたい場合は事前に確認を撮りましょう。

マウスピース矯正


マウスピース矯正はインビザラインとも呼ばれる治療方法です。透明なマウスピースを歯に被せて矯正します。マウスピースは透明なので、見た目では矯正治療をしているのがわかりません。また、食事の際は取り外しができますので、食事中の不便も感じないでしょう。同様に食事後の歯磨きも問題なく実施できます。


ただし、20時間以上装着している必要があるため自己管理は必須です。また、骨格など人によってはマウスピース矯正を実施できない方もいます。段階的に歯を動かしている治療ですので痛みなどは感じにくいですが、治療期間はワイヤー矯正よりも長くなるケースがあります。


マウスピース矯正も実施できる歯科医院が限られていますので、事前に確認が必要です。マウスピース矯正の実績がある歯科医院を選択するようにしましょう。

セラミック矯正


セラミック矯正とは、ワイヤー矯正やマウスピース矯正のように歯を動かしていく治療ではありません。歯を削り、その上からセラミックでできた人工歯を被せる治療です。


麻酔をして歯を削り、被せ物を被せるので治療期間は長くかかりません。すきっ歯の本数が多すぎたり、隙間が広すぎる場合はセラミック矯正を選択できないため注意が必要です。また、歯を削る治療のため、削った歯は元に戻りません。あと戻りができない治療になりますので覚えておきましょう。


費用に関してはセラミックを被せる本数によって異なります。1本あたりの費用は4〜18万円で、歯科医院によって異なります。最低でも2本はセラミックにする必要がありますので8万円以上はかかるでしょう。セラミックも種類がいくつかありますので自分で選択できます。治療が1日で終わらない場合は仮歯をつけますので仮歯代もかかります。治療前に費用感について聞いておきましょう。

すきっ歯治療の期間と費用


すきっ歯の治療はお口の状態によって期間や費用が変わります。部分矯正なのか、全体矯正なのかでも大きく異なってきます。すきっ歯の治療だけでなく、虫歯がある場合や噛み合わせに異常がある場合に関しても、治療期間は通常よりも長くなりますので覚えておきましょう。


全体矯正の場合と部分矯正の場合に分けて費用と期間の目安について解説します。

全体矯正の場合


ワイヤー矯正でお口全体を矯正する場合、1年〜3年ほどかかります。ワイヤーで歯を動かしている治療のため、多少の痛みは伴いますが比較的早く治療を終えられます。ワイヤー矯正でも表面矯正の方が期間は短く済み、裏面矯正の場合は2年以上かかりますのでそこでも差があるでしょう。


費用としては表面のワイヤー矯正の場合、60万円〜90万円ほどです。一方で裏側のワイヤー矯正の場合は120万円〜150万円と表面のワイヤー矯正に比べて割高に設定されています。


マウスピース矯正の場合、治療にかかる期間は2年〜2年半程度です。表面のワイヤー矯正ほどではないですが、2年ほどで治療を終えることができます。費用に関しては50万円〜100万円ほどで、表面のワイヤー矯正とあまり変わりません。



 

ワイヤー矯正(表面)

ワイヤー矯正(裏面)

マウスピース矯正

費用

60万円〜90万円

120万円〜150万円

50万円〜100万円

期間

1年〜3年

2年〜3年

2年〜2年半


部分矯正の場合


ワイヤー矯正で部分的に矯正をする場合、3か月〜1年半程度の期間を必要とします。これに関しても表面と裏側で期間が異なり、裏側でのワイヤー矯正の場合は最短でも半年は必要としますので覚えておきましょう。


費用に関しては全体矯正よりも安い価格で設定されており、表面矯正の場合は10万円〜77万円ほど、裏側矯正の場合は15万円〜88万円ほどです。部分矯正に関しても裏側矯正の方が費用が高く設定されています。


マウスピース矯正の場合では期間は2か月〜1年半程度かかります。費用としても15万円〜66万円とワイヤー矯正よりもやや安く設定されています。


これら費用に関しては歯科医院によって異なります。自身のいく歯科医院での費用についてはあらかじめ聞いておきましょう。



 

ワイヤー矯正(表面)

ワイヤー矯正(裏面)

マウスピース矯正

費用

10万円〜77万円

15万円〜88万円

15万円〜66万円

期間

3か月〜1年半

6か月〜1年半

2か月〜1年半


まとめ

すきっ歯の歯列矯正について解説しました。すきっ歯は見た目が気になるだけでなく、虫歯リスクや食べづらいなどのデメリットがあるお口の状態です。費用や期間はかかりますが、できるだけ治す方向で検討しましょう。


お口の状態によって選択できる治療方法は異なります。また、歯科医院によってできない治療もありますのでまずは相談から始めましょう。


お口のコンプレックスを治すことができれば、日々の暮らしが変わってくるはずです。