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矯正治療中に口の中が傷だらけになる4つの原因と対処法

矯正治療中に口の中が傷だらけになる4つの原因と対処法

矯正治療中に「口の中が傷だらけになってしまう」という経験をされた方も多いのではないでしょうか。


この記事では、矯正中に起こりやすい口腔内トラブルの原因を4つに分けて解説し、応急処置や予防策、さらに傷を防ぎやすい矯正方法についても詳しくご紹介します。


快適に矯正治療を進めるためにも、ぜひ記事をチェックしてみてください。


■矯正治療中に口の中が傷つきやすくなる要因

矯正治療中に口の中が傷つきやすくなる要因


矯正治療中に口の中が傷つきやすくなる要因は、矯正装置や治療過程による物理的な刺激です。ここでは、具体的な原因を4つに分けて解説します。

矯正装置との摩擦による傷

矯正装置が口腔内の粘膜に直接触れることで、摩擦が生じ、小さな傷や炎症が発生します。


特にワイヤー矯正では、ブラケットの突起部分やワイヤーの端が頬や舌に当たることで痛みを伴うことが多いです。さらに食事中や会話時など口を大きく動かす際に摩擦が増え、傷が悪化する場合もあります。


矯正治療を始めたばかりの時期やワイヤーの調整後など、矯正装置に慣れていない段階で特に起こりやすく、矯正装置の形状や位置によっても摩擦の程度が異なり、個人差があります。


一時的な傷ができやすいですが、放置すると口内炎に発展する場合もあります。

歯が動いたことによる影響

矯正治療では歯を動かすため、噛み合わせが変化し、それまで噛んでいなかった部分で粘膜を噛んでしまうような『誤咬(ごこう、かみ間違い)』によって口内炎や傷ができるケースも少なくありません。


また、歯の移動による圧力で歯茎や周囲組織に負担がかかり、一時的な炎症や痛みを引き起こすケースもあります。


歯の移動が活発な治療初期やワイヤーの調整後に起こりやすく、治療が進むにつれて改善する場合が多いですが、それまで適切なケアが必要です。詳しくは後述します。

矯正装置のずれ

矯正装置がずれると、本来当たらない部分に矯正装置が触れるようになり、粘膜を傷つける可能性があります。


ずれは、硬い食べ物を噛んだり、不意の衝撃を受けたりすることで起こりやすいです。また、接着剤の劣化や清掃不足によっても矯正装置が外れるリスクがあります。


ずれた矯正装置をそのまま放置するとトラブルが悪化するため、早めに歯科医師へ相談し調整しましょう。

矯正装置の破損または外れ

ブラケットやワイヤーなどの矯正装置が破損したり外れたりすると、尖った部分が粘膜に刺さったり擦れたりして傷つける可能性があります。


特にワイヤーの端が鋭利な場合には、頬や舌へのダメージが大きくなります。


矯正装置に異常がある場合は応急処置として矯正用ワックスで保護を行い、その後速やかに歯科医院で修理・調整を受ける必要があります。


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■矯正中に口内炎や傷ができて痛い場合の応急処置

矯正中に口内炎や傷ができて痛い場合の応急処置


矯正治療中に口内炎や傷ができることは珍しくありません。


しかし、痛みを放置すると、日常生活に支障をきたすだけでなく、治療の継続が難しくなるため、適切な方法でケアしましょう。


ここでは、矯正中に起こりやすい口内炎や傷への応急処置について詳しく解説します。

矯正用ワックスで保護

矯正用ワックスは、矯正装置による摩擦や刺激を軽減するための便利なアイテムです。


特にブラケットやワイヤーが粘膜に当たって痛みを感じる場合、患部にワックスを貼り付けると、直接的な接触を防ぐことが可能です。


使用方法は簡単で、清潔な手で適量のワックスを取り、乾燥させた矯正装置部分にしっかりと貼り付けます。


ただし、ワックスは一時的な対処法であるため、痛みが続く場合は歯科医師に相談し、矯正装置の調整を検討してもらうことも重要です。

口内炎用の軟膏や貼るタイプを使用

傷や口内炎ができた場合、市販されている口内炎用の軟膏や貼るタイプの薬剤も効果的です。


軟膏タイプは患部に直接塗布することで保護膜を形成し、痛みを和らげ、貼るタイプは患部に密着させることで刺激から守りつつ、薬効成分によって治癒を促進します。


どちらもドラッグストアなどで手軽に購入でき、自宅でも簡単に使用できます。


ただし、使用前には患部を清潔に保ち、説明書をよく読んで適切な方法で使用するよう心掛けましょう。

刺激の強い食事は避ける

矯正中に傷や口内炎がある場合、食事内容にも注意が必要です。辛いものや酸味の強い食べ物は粘膜を刺激し、痛みを悪化させる可能性があります。


また、硬い食品や歯ごたえのあるものも傷口に負担をかけるため避けましょう。代わりにスープや豆腐など柔らかくて温度が適切な食べ物がおすすめです。


また、食事後には傷口周辺に食べ物が残らないよう丁寧な歯磨きとマウスウォッシュで清潔を保つことも大切です。


冷却と消毒

傷や炎症部分の痛みを和らげるには冷却と消毒も有効です。冷たい飲み物や保冷剤で患部を冷やすと炎症が鎮まり、一時的な痛み軽減につながります。


また、生理食塩水や市販のマウスウォッシュでうがいすることで口腔内を清潔に保ち、細菌感染による悪化を防ぐことも可能です。


市販のマウスウォッシュはアルコール成分が含まれるものもあるため、刺激にならないようノンアルコールタイプがおすすめです。

痛みが続く場合は医師へ相談

応急処置を行っても痛みが続いたり、症状が悪化している場合は、速やかに歯科医師へ相談しましょう。


特に矯正装置による摩擦やずれが原因の場合、そのまま放置するとさらに傷つけてしまう恐れがあります。歯科医院では矯正装置の調整や修理だけでなく、適切な治療法についてアドバイスしてもらえます。


また、必要に応じて抗炎症薬などの処方も受けられるため、不快感から早く解放されるでしょう。矯正治療中は定期的な通院だけでなく、不安な点について積極的に相談する姿勢も重要です。

■矯正中に口の中が傷だらけにならないようにするための予防策

矯正中に口の中が傷だらけにならないようにするための予防策


矯正治療中に口の中が傷だらけになるのを防ぐためには、矯正装置による摩擦や刺激から粘膜を守るための工夫が重要です。


また、口腔内の環境を清潔に保つことも、傷や炎症を予防するうえで大切なポイントです。ここでは、具体的な予防策について詳しく解説します。

矯正専用歯ブラシやマウスウォッシュを使用

矯正治療中は、通常の歯ブラシでは矯正装置周辺の汚れを十分に取り除くことが難しいため、矯正専用の歯ブラシを使用すると良いでしょう。


山型や谷型のブラシはブラケットやワイヤー周辺を効率よく清掃できるため、汚れによる炎症や口腔内トラブルを未然に防ぐことができます。


また、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、歯と矯正装置の隙間に溜まった食べかすやプラークも効果的に除去できます。


さらに、市販のノンアルコールタイプのマウスウォッシュを活用することで口腔内全体を清潔に保ち、細菌繁殖による炎症リスクを軽減できるでしょう。

粘膜を乾燥させない

口腔内の乾燥は粘膜を弱くし、傷つきやすい状態を引き起こすため、矯正中は特に粘膜の潤いを保ちましょう。


水分補給をこまめに行うほか、唾液分泌を促進するためにガム(シュガーレス)を噛むことも効果的です。


また、室内の湿度管理も大切で、特に冬場など乾燥しやすい季節には加湿器などを利用して適切な湿度を保つよう心掛けましょう。


さらに、口呼吸ではなく鼻呼吸を意識することで口腔内の乾燥を防ぐことができます。

■傷のリスクが少ない矯正方法の選択肢

傷のリスクが少ない矯正方法の選択肢


矯正方法は、患者さんのライフスタイルや口腔内の状態に合った方法を選ぶと、快適さを向上させられます。


以下は、傷を防ぎやすい矯正方法の代表的な選択肢です。


  • マウスピース矯正
  • 舌側矯正(リンガル矯正)
  • セラミックブラケット矯正

マウスピース矯正は、透明なプラスチック素材で作られた滑らかな矯正装置で、口腔内が傷つきにくく、食事や歯磨き時に清潔を保ちやすいのも特徴です。


舌側矯正は、ワイヤーとブラケットを歯の裏側に装着する方法で、表側矯正に比べて粘膜への直接的な刺激が少ないため、傷ができにくいメリットがあります。


セラミックブラケット矯正は、金属製ブラケットよりも表面が滑らかで、粘膜への負担を軽減できます。審美性も高く、目立ちにくい点が魅力です。


どの方法が最適かは患者さんごとの歯並びや生活習慣によって異なるため、専門医と相談し、最適な治療法を選びましょう。

■マウスピース矯正が傷を防ぎやすい理由

マウスピース矯正が傷を防ぎやすい理由


マウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正に比べて口腔内のトラブルを軽減できる治療方法として注目されています。


その理由は、矯正装置の設計や使用方法に特徴があり、粘膜への刺激や摩擦を最小限に抑える工夫がされているためです。


ここでは、マウスピース矯正が傷を防ぎやすい理由について3つのポイントに分けて解説します。

摩擦が少ない設計

マウスピース矯正は、透明なプラスチック素材で作られており、表面が滑らかで粘膜への摩擦を大幅に軽減します。


従来のワイヤー矯正では、金属製のブラケットやワイヤーが頬や舌に当たることで傷や炎症が起きやすいですが、マウスピース矯正ではそのようなトラブルがほとんどありません。


また、矯正装置全体が歯列にフィットする形状で作られているため、尖った部分や突起物がなく、日常生活でも快適に装着できるため、矯正治療中の痛みや不快感を大幅に軽減できる点が大きなメリットです。

取り外し可能

マウスピース矯正は取り外しが可能であることも、傷を防ぎやすい理由の一つです。


食事や歯磨きの際には矯正装置を外せるため、口腔内を清潔に保ちやすくなり、細菌繁殖による口内炎や傷の悪化を防げます。


また、装着中も歯列全体を覆う構造であるため、食べ物のカスが矯正装置内に溜まる心配もありません。


さらに、取り外し可能な特性は、患者さん自身でケアしやすいだけでなく、日常生活でのストレスを軽減する点でも優れています。

患者さんごとにカスタム

マウスピース矯正は、一人ひとりの歯列に合わせて精密に作られるカスタムメイドの矯正装置のため、装着時の違和感が少なく、矯正装置のずれによる粘膜への刺激も起こりにくい特徴があります。


また、治療中は歯列の変化に応じて新しいマウスピースへ交換していくため、その都度適切なフィット感が維持され、不必要な摩擦や圧迫感を防ぎながら治療を進められます。

■マウスピース矯正と従来の矯正方法の比較

マウスピース矯正と従来の矯正方法の比較


マウスピース矯正と従来のワイヤー矯正は、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。以下の表で両者を比較し、どちらが自分に合った治療方法かを検討する際の参考にしてください。


特徴 マウスピース矯正 ワイヤー矯正
見た目 透明で目立ちにくい 金属製ブラケットが目立つ(審美ブラケットもあり)
装着感 滑らかで、粘膜への刺激が少ない 突起物があり、摩擦や痛みを感じることがある
取り外し 可能(食事や歯磨き時) 不可
適応範囲 軽度~中程度の症例 重度の咬合や複雑な症例にも対応可能
治療期間 症例によるが、やや長くなることがある 比較的短期間で治療可能
口腔ケアのしやすさ 取り外して清掃可能 矯正装置周辺の清掃が難しい

マウスピース矯正は、透明な素材で作られており、見た目を気にせず治療を進めたい方に適しています。取り外し可能なため、食事や歯磨き時に矯正装置を外して清潔さを保てる点も大きな魅力です。


ただし、軽度から中等度の症例に限られることが多く、重度の歯並びには対応が難しい場合があります。


一方、ワイヤー矯正は適応範囲が広く、複雑な症例にも対応可能です。


固定式の矯正装置であるため患者さん自身による管理は不要ですが、金属部分が目立つことや粘膜への刺激による痛みがデメリットといえます。


どちらを選ぶかは、患者さんのライフスタイルや歯並びの状態によります。専門医と相談して最適な方法を選択することが重要です。

■まとめ

矯正治療中に口の中が傷つきやすくなる要因は、矯正装置の摩擦や歯の移動、矯正装置のずれや破損などが挙げられます。


傷つきにくい矯正方法の選択や適切な応急処置、予防策を取り入れると、トラブルを軽減し快適に治療を進められるでしょう。


名駅大森ピア歯科・矯正歯科では、患者様一人ひとりに合った矯正治療を提供し、口腔内トラブルにも迅速に対応しています。


マウスピース矯正などの選択肢も豊富にご用意していますので、ぜひお気軽にご相談ください。


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