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矯正治療は痛い?痛みの種類・期間・軽減する方法を詳しく解説



矯正治療は多くの人が気になる歯科治療ですが、痛みに対する不安は大きいものです。


この記事では、矯正治療中に経験する可能性のある痛みの種類、その持続期間、そして痛みを軽減するための技術や対処法について詳しく解説します。


痛みへの適切な対応方法を知ることで、より快適な矯正治療を受けられるでしょう。


■矯正中に感じる痛みの種類

矯正中に感じる痛みの種類


矯正中に感じる痛みは主に4つのタイプに分類されます。それぞれの痛みの特徴と原因を詳しく見ていきましょう。


歯の移動による痛み

歯の移動に伴う痛みは、矯正治療の過程で一般的に経験されるものです。


歯を新しい位置に動かすために加えられる力によって歯の周囲の組織が圧迫され、炎症反応が起こることで痛みを感じます。

多くの患者さんは、この痛みを「歯が浮いたような感覚」や「締め付けられるような痛み」と表現します。


通常、矯正装置の調整直後から2〜3日間が最も痛みを感じやすい時期で、個人差はありますが、1週間ほどで痛みはほとんど感じなくなるのが一般的です。


この痛みは治療の進行を示す一つのサインでもあり、完全に避けることは難しいですが、柔らかい食べ物を選ぶ、冷却するなどの対処で痛みを軽減できるでしょう。

矯正装置による口腔内の痛み

ワイヤー矯正を行う場合、ブラケットやワイヤーなどの矯正装置が口腔内に装着され、装置が頬の内側や舌、歯肉に接触すると痛みや不快感を引き起こす場合があります。


特に治療開始直後は、口腔内の軟組織が装置に慣れていないため、摩擦や刺激によって痛みを感じやすくなります。


また、ワイヤーの端が適切に処理されていない場合、粘膜を傷つけて痛みの原因となるケースもありますが、矯正用ワックスを使用したり、歯科医師に調整を依頼したりすることで軽減可能です。


時間の経過とともに口腔内が装置に順応し、不快感は徐々に減少していきます。ただし、持続的な痛みや違和感がある場合は、早めに歯科医師に相談することが重要です。

調整後の一時的な痛み

矯正治療中は定期的に装置の調整を行います。この調整後に一時的な痛みを感じることは珍しくありません。


調整によって歯に新たな力が加わるため、歯の移動による痛みと同様のメカニズムで痛みが生じ、調整直後から数日間は、特に強い痛みを感じる可能性があります。


痛みのピークは通常、調整後24〜48時間以内に訪れ、その後徐々に軽減していきます。痛みの強さや持続期間には個人差がありますが、1週間以内に収まるケースが多いです。


調整後の痛みに対しては、冷却療法や軟らかい食事の摂取、必要に応じて歯科医師の指示のもと鎮痛剤を服用するなどの対処法があります。

定期的な調整は治療の進行に不可欠ですが、痛みが過度に強い場合や長引く場合は、担当医に相談しましょう。

食事時の痛み

矯正治療中、特に装置の調整直後は食事の際に痛みを感じる場合があります。

歯が移動中で敏感になっていて、咀嚼時に歯に圧力がかかることで、一時的に痛みを感じる可能性があります。特に硬い食べ物や、よく噛む必要がある食品を摂取する際に顕著です。


痛みは通常、調整後数日間で最も強く、その後徐々に和らいでいきます。食事時の痛みに対処するには、一時的に柔らかい食べ物を中心とした食事にすることが効果的です。

例えば、スープ、シチュー、煮込み料理、豆腐、茶わん蒸しなどは噛む負担が少なく、痛みを感じにくいでしょう。

また、小さく切った食べ物や、ゆっくりと時間をかけて食べることも痛みの軽減に役立ちます。


食事の痛みが長引く場合や、著しく食事が困難な場合は、担当の歯科医師に相談し、適切なアドバイスを受けると良いでしょう。


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■矯正中の痛みは治療効果と関係がある?

矯正中の痛みは治療効果と関係がある?


矯正中の痛みは、「歯が移動している証拠だから、痛みが強いほど効果が高い」という考えは、必ずしも正しいとは限りません。


歯の移動に伴う軽度の不快感や圧迫感は正常ですが、激しい痛みは望ましくありません。現代の矯正技術では、適切な力加減で効果的に歯を動かすことが可能です。


痛みが少ない治療法も開発されており、例えば、マウスピース矯正のインビザラインは、一度に動かす量を調整することで、従来のワイヤー矯正に比べて痛みが軽減されています。


痛みの程度よりも、定期的な通院と適切な装置の調整が治療効果を左右します。痛みに不安がある場合は、担当医と相談しながら、快適で効果的な治療を目指しましょう。

■矯正中の痛みはいつまで続く?

矯正中の痛みはいつまで続く?


痛みは通常、装着後3〜6時間程度で違和感を感じ始め、2日目から3日目にかけて痛みがピークに達します。この時期が最も不快感を感じやすい時期です。


その後、痛みは徐々に和らいでいき、多くの患者さんは1週間程度で日常生活に支障のないレベルまで回復します。

ただし、痛みがなくなるまでには個人差があり、2週間ほどかかる場合もあります。


矯正治療の過程では、装置の調整や交換に伴い痛みを感じる場合がありますが、少しずつ慣れていくものです。多くの場合、2回目以降は体が順応し、初回ほどの強い痛みを感じにくくなります。


痛みが2週間以上続く場合や、日常生活に支障をきたすほどの強い痛みが続く場合は、担当の歯科医師に相談しましょう。過度の痛みは、装置の調整が必要なサインかもしれません。

■痛みを軽減する矯正技術

痛みを軽減する矯正技術


歯科技術の進歩により、快適性を重視した新しい矯正方法が次々と開発されています。新しい技術は治療中の痛みや不快感を減らし、患者さんの負担軽減に役立ちます。


ここでは、痛みを軽減する代表的な矯正技術について詳しく解説します。


マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明な樹脂製のマウスピースを使用して歯を少しずつ動かす方法です。代表的な製品としてインビザラインがあります。


最大の特徴は、従来のワイヤー矯正に比べて痛みが少ないことです。マウスピースは2週間ごとに交換され、各段階で歯に加える力が調整されているため、急激な力がかかることがありません。


また、マウスピースは取り外し可能なため、食事や歯磨きの際に邪魔にならず、口腔衛生の維持が容易になり、矯正治療中の虫歯や歯周病のリスクを軽減可能です。


透明なマウスピースは目立ちにくいため、審美性を気にする患者さんにもぴったりです。


ただし、マウスピース矯正にも若干の痛みや違和感が生じる可能性があります。


特に新しいマウスピースに交換した直後は、歯に圧力がかかるため、軽度の痛みを感じる場合がありますが、痛みは通常数日で軽減し、従来の矯正方法に比べると軽度です。

低摩擦ブラケット

低摩擦ブラケットは、従来の金属ブラケットを改良し、ワイヤーとブラケット間の摩擦を大幅に減少させた装置です。低摩擦ブラケットの特徴は、歯の移動がよりスムーズになり、治療中の痛みや違和感が少ない点です。


最も広く知られた低摩擦ブラケットシステムの一つに、デーモンブラケットがあります。デーモンブラケットには小さな『ドア』が付いており、ドアを通してワイヤーを挿入します。


従来の装置では、ゴムやワイヤーを使ってブラケットにワイヤーを固定していましたが、デーモンブラケットではドアを閉じるだけで固定が可能です。


ワイヤーがブラケット内で自由に動けるため、歯を動かす際の摩擦が大幅に減少します。ゴムやワイヤーによる余分な力がかからないため、歯にかかる圧力が軽減される仕組みです。


また、歯の移動がスムーズになることで従来の方法よりも早く目標の歯列に到達できる可能性があり、調整の頻度も減少するため、患者さんの通院負担も軽減できます。

■矯正中の痛みへの対処法

矯正中の痛みへの対処法


矯正治療中に感じる痛みの適切な対処法を知っておくことで、不快感を軽減し、より快適に治療を進められます。ここでは、矯正中の痛みに対する効果的な対処法をいくつか紹介します。


患部を冷却する

矯正治療後の痛みや腫れを軽減するには、患部を冷やすと効果的です。冷却により血流が抑えられ、炎症反応を和らげられます。


保冷剤やアイスパックを使用し、タオルで包んでから患部に当てましょう。直接肌に当てると凍傷の危険があるため注意が必要です。


冷却は15分程度を目安に行い、1日に数回繰り返します。ただし、長時間の冷却は過度の冷却は血流を悪くし、回復を遅らせる可能性があるため避けてください。


また、冷たい飲み物を口に含むことでも、一時的に痛みを和らげられます。

鎮痛剤を服用する

痛みが強く、日常生活に支障をきたす場合は、市販の鎮痛剤を服用することも一つの選択肢です。


ただし、鎮痛剤の使用には注意が必要です。アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛剤が適していますが、イブプロフェンなどの抗炎症作用の強い薬は、歯の移動を遅らせる可能性があるため避けましょう。


また、鎮痛剤の服用は必要最小限にとどめ、長期間の連続使用は控えてください。

痛みが長引く場合や、鎮痛剤の効果が薄い場合は、担当医に相談することをおすすめします。鎮痛剤の種類や用量について、適切なアドバイスを受けられます。

柔らかい食事にする

矯正治療後は、歯や歯茎が敏感になっているため、硬い食べ物を避け、柔らかい食事を心がけましょう。


例えば、スープ、シチュー、煮込み料理、豆腐、茶碗蒸しなどは、咀嚼の負担が少なく、痛みを感じにくい食品です。また、食べ物を小さく切ったり、よく煮込んだりすることで、噛む力を軽減できます。


冷たい食べ物や飲み物も痛みを和らげる効果がありますが、温度差の大きい物は避けましょう。


ただし、柔らかい食事ばかりを続けると顎の筋肉が衰える可能性があるため、痛みが和らいできたら徐々に通常の食事に戻していくことが重要です。

矯正用ワックスの活用

矯正装置が口腔内の軟組織に当たって痛みや違和感を感じる場合、矯正用ワックスを使用すると改善できます。ワックスは装置の尖った部分や引っかかる部分を覆い、粘膜への刺激を軽減します。


使用方法は簡単で、小さく丸めたワックスを問題のある部分に押し付けるだけです。矯正用ワックスを使うときには、いくつかのポイントがあります。


  • 装置とその周辺をよく乾かしてからワックスを付ける
  • 食事の前に外し、食後に新しいものを付け直す

装置とその周辺が濡れた状態だとワックスがすぐ取れてしまうため、乾かしてからつけましょう。


また、ワックスは定期的に交換し、清潔に保つことが大切です。

食塩水でのうがい

食塩水は口腔内の浸透圧を変化させ、炎症を抑える効果があります。また、殺菌作用もあるため、口内炎の予防にも役立ちます。


作り方は簡単で、250㏄程度のぬるま湯に小さじ1/2の食塩を溶かすだけです。うがいは1日数回、各30秒程度行います。

ただし、濃すぎる食塩水は逆に粘膜を刺激する可能性があるので、濃度には注意しましょう。また、うがいの際は強く吐き出さず、優しくゆすぐように行うことが大切です。


食塩水でのうがいは、痛みの軽減だけでなく、口腔内の清潔を保つ効果もあるため、矯正治療中の口腔ケアの一環として取り入れると良いでしょう。

歯科医師と相談

痛みが長引く場合や通常の生活に支障をきたすほどの強い痛みがある場合は、早めに相談しましょう。歯科医師は患者さんの状態を詳しく確認し、必要に応じて装置の調整や痛みの軽減策を提案してくれます。


また、痛みの程度や性質を正確に伝えることで、より適切なアドバイスを受けられます。

例えば、痛みの場所や強さ、いつ頃から始まったかなどの情報は、歯科医師にとって重要な手がかりとなるでしょう。


定期的な通院時だけでなく、気になることがあればいつでも相談できる関係を築くことが、スムーズな矯正治療につながります。

■まとめ


矯正治療中の痛みは一時的なもので、多くの場合、装置装着後3〜7日程度で痛みは自然に軽減し、1週間後にはほぼ気にならなくなります。


痛みが強い場合や1週間以上続く際は、すぐに歯科医師へ相談しましょう。鎮痛剤の使用や装置調整で症状を緩和できます。

名駅大森ピア歯科・矯正歯科では、痛みに配慮してデーモンブラケットシステムとインビザライン矯正の取り扱いがあります。


装置調整時には専用のクッション材を使用するなど、細やかな配慮で治療をサポートします。痛みに不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。



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