
抜歯矯正をすると「ほうれい線が目立つようになる」「逆に薄くなった」という噂を聞いたことはありますか?
どっちなのかわからず、歯列矯正で抜歯するのが心配になってしまうかもしれません。
しかし、個人差はありますが、抜歯矯正をしても皮膚に影響を与えることはほとんどないでしょう。
この記事では、歯列矯正とほうれい線の関係やほうれい線が目立つようになったと感じる理由、歯列矯正でほうれい線を作らないための対策について、詳しく解説します。
ほうれい線が気になって歯列矯正を悩んでいる方、目立つようになったらどうしようと不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
■歯列矯正がほうれい線に直接影響を与えることはほぼない
結論から先に言うと、歯列矯正を受けることによって、ほうれい線が目立つようになるという直接の影響を与えることはほとんどありません。
歯列矯正は、歯の位置を動かす治療のため、直接関係するのは口の中だけです。
矯正器具を装着したり、歯を移動したりする歯列矯正では、皮膚に現れるほうれい線に直接影響するわけではないでしょう。
ただし、治療の内容によっては、ほうれい線というよりは口元の皮膚に変化が現れる場合があります。
心配な方は、歯列矯正を始める前に、矯正歯科医から矯正計画をしっかり聞き、ほうれい線への影響が出る可能性があるかを確認しておきましょう。
■ほうれい線ができる原因
年を重ねればほうれい線が目立つようにはなりますが、加齢によって皮膚や筋肉に変化があるのが、ほうれい線ができる原因です。
加齢とともに肌の弾力が低下し、たるみや骨格・頬周りの脂肪の変化が起こることで、顔のバランスが若い頃と変わり、ほうれい線が目立つようになります。
特に、コラーゲンやエラスチンという肌のハリや弾力を保つ成分は、加齢により減少するため、ケアが必要です。
表情筋の衰えも、頬の筋肉が下がることがあり、ほうれい線に影響を与えます。
日常生活の中で表情をあまり動かさなかったり、同じ表情を繰り返したりしていると、使われる筋肉が偏って表情筋が衰えてしまいます。
また、肌へのダメージは生活習慣(紫外線、乾燥、寝不足、ストレスなど)によるものが大きく、コラーゲンやエラスチンの減少に影響するため、生活習慣の改善が重要です。
■抜歯矯正とほうれい線の関係
歯列矯正では抜歯してから治療をするケースもあります。ほうれい線が気になる方は、抜歯しなければいけないのか不安になってしまうかもしれません。
ここでは、歯列矯正で抜歯をする理由や、ほうれい線との関係を詳しく解説します。
歯列矯正で抜歯する理由
歯列矯正で抜歯をするのは、歯並びを整えるための歯の移動をするスペースを作り出すためです。
事前にレントゲンや歯科用CTなどの検査を行い、矯正計画のシミュレーションや歯列矯正後のイメージを共有し、納得したうえで歯列矯正を開始します。
抜歯は必ずしもするわけではありませんが、顎の形状や歯並びなどによって、歯を動かしやすくしたり、整えたりするのが難しい場合に、抜歯する必要があると診断されます。
抜歯をしても、、実際に歯が動く距離は7㎜とわずかであるため、口元への影響はほとんどないと考えられます。
ただし、わずかな変化でもほうれい線が気になる方もいるかもしれません。
ほうれい線が目立つと感じるのはなぜか
歯列矯正の内容によっては、抜歯して歯が減ると口周りの皮膚が余って、頬がたるむことがあります。
抜く本数やどこの歯を抜くか、どれくらい皮膚が張っていたかなど、個人差はありますが、抜歯で口腔内にスペースができた分、頬のたるみが現れてほうれい線が目立つと感じる方もいるかもしれません。
抜歯した直後に一時的に感じることもあり、歯列矯正が終了して器具を外すと、思ったほど気にならなくなる可能性もあります。
そのため、適切なケアを行い、ほうれい線が目立つのを予防することが大切です。
歯列矯正後に矯正器具を外してから、表情筋が動くことで改善されるケースも多いため、普段から顔の筋肉を動かすことを意識しましょう。
また、抜歯矯正に限らず、特にワイヤー矯正中は食べられるものに制限があり、食べやすいものばかりの食事が多くなると栄養のバランスが偏ってしまう可能性があります。
ほうれい線が薄くなったと感じるケースもある
歯列矯正をして、ほうれい線が薄くなったと感じるケースもあります。
歯が整って自信につながり、笑顔が増える、表情の変化が大きくなるなどの理由から、表情筋が鍛えられてほうれい線が目立たなくなったと感じる方もいるでしょう。
また、噛み合わせがよくなると顔全体のバランスが整い、ほうれい線が目立たなくなることもあります。
ただし、歯列矯正をしたからほうれい線が薄くなる効果はなく、歯列を整えた結果、目立たなくなる可能性もあるということだと理解してください。
■歯列矯正でほうれい線が目立つようになったと感じるケース
歯列矯正をしてほうれい線が目立つようになったと感じるケースは、いくつかあります。
矯正計画が以下のようなものに当てはまる場合は、カウンセリングで歯列矯正後に変化が起こる可能性があるか、よく確認しておきましょう。
出っ歯の矯正
出っ歯を矯正する場合、ほうれい線が目立つと感じるケースがまれにあります。
前側に出ていた前歯を下げる歯列矯正をするため、抜歯をすると特に、口元が後ろ側に引っ込みます。
出っ歯は口周りの皮膚が前に引っ張られている状態で、歯列矯正で歯並びが整うことによって皮膚が余ってたるむと、ほうれい線が目立つと感じる方もいるのです。
もともと引っ張られて伸びていた皮膚が元に戻ることで、隠れていたほうれい線が目立つようになる可能性があるかもしれません。
しかし、出っ歯をそのままにしているよりも、歯列矯正で歯並びを整えたほうが、口元のバランスが良くなるメリットは大きいでしょうか。
また、抜歯をしてスペースができてほうれい線が目立つと感じた場合も、歯が移動していくと気にならなくなるほどの一時的な感じ方だったケースも少なくありません。
八重歯の矯正
八重歯の歯列矯正を行う場合も、出っ歯と同じく引っ張られていた皮膚が元に戻ることにより、ほうれい線が目立つと感じる方もいます。
前に出ていた八重歯を正しい位置に移動すると、その分の皮膚が余ってたるみが生じる可能性があります。
また、八重歯がかなり出ていて頬や唇を内側から支えていた場合、歯列矯正によって歯並びが整うことにより支えがなくなり、口周りがへこんでほうれい線の見え方に影響するかもしれません。
しかし、八重歯の歯列矯正をするのは、噛み合わせが悪いことがほとんどです。
歯並びと共に噛み合わせを整えることで、顔回りの筋肉がよく動くようになったり、食べ物をしっかり噛めたりすると、結果的にほうれい線が目立たなくなる可能性もあるでしょう。
口元を引っ込めすぎた場合
本来抜歯をしなくても歯列矯正が可能だった場合は、抜歯をした結果口元が下がりすぎてしまい、ほうれい線が目立つことになる可能性があります。
出っ歯や八重歯が出ている症状の他、口コボと呼ばれる上下顎前突や軽度の不正咬合、下顎が小さいなどの場合、抜歯を伴うことが多くなります。
抜歯をしていない歯列矯正では、再矯正により改善が期待できますが、追加料金や期間がかかるため、簡単にはできません。
また、抜歯矯正の場合は、歯が大きく動いているため、元に戻そうとすると歯並びが崩れてしまい、すきっ歯のような状態になってしまう可能性があります。
口元を引っ込めすぎるのを防ぐためには、歯列矯正を始める前に、治療後のイメージを矯正歯科医としっかり話し合い、ゴールを明確にして矯正計画を立てることが大切です。
歯並びを整えるだけでなく、歯列矯正後にどのような変化が起こるのかも、疑問に思うことはカウンセリングできちんと相談しましょう。
■歯列矯正でほうれい線を作らないための4つの対策
歯列矯正が直接ほうれい線に影響することは一般的に少ないとされていますが、個人差があります。ほうれい線の形成を抑えるための対策をしておくに越したことはありません。
ここでは、歯列矯正を始める前や歯列矯正中にほうれい線を作らないために気をつけるべき4つの対策を紹介します。
1:事前のカウンセリングで変化について確認しておく
歯列矯正では、事前のカウンセリングで治療計画について矯正歯科医から説明があります。
矯正器具の説明や注意点、期間、料金、通院についてなど、さまざまな説明を受けますが、疑問に思うことはすぐに質問してください。
抜歯をするならば、その結果口周りの変化が起こる可能性があるのか、歯列矯正後の顔にはどのような変化があるのかなど、気になることは相談しましょう。
ほうれい線が気になるという悩みを伝えることで、口元や顔のバランスを考えた矯正計画を提案できる可能性が高まります。
カウンセリングを重ねて、歯列矯正でできることやできないこと、変化の可能性、目指すゴールなどをしっかり矯正歯科医と共有して、納得したうえで歯列矯正を始めてください。
2:精密検査・適切な治療計画をしてくれる矯正歯科を選ぶ
適切な治療計画を立てるために、カウンセリングで要望を伝え、矯正歯科医と十分に話し合いましょう。
歯列矯正をする前には、レントゲンや歯科用CTなどの機器を使用して精密検査を行います。
ただ、クリニックにより設備には差があるため、注意が必要です。
歯列矯正後のほうれい線の変化があるのかが気になる方は、3D撮影ができる機器を使用している矯正歯科を選ぶのがおすすめです。
また、歯がどのように移動するのかのシミュレーションを確認できると、理解しやすく不安の解消にもつながります。
3:左右バランスよく噛むようにする
歯列矯正中は、食事の際に左右バランスよく噛むようにしましょう。
歯が移動しているときや装置の調整後などは特に痛みが出やすく、少しでも痛まない方で噛むことになりがちです。
片方で噛む状態が続くと、顔のバランスが崩れやすく、ほうれい線が目立つ原因となってしまうかもしれません。
噛みづらいこともありますが、左右で同じように噛むように意識しましょう。
4:ほうれい線セルフケアを取り入れる
ほうれい線が気になるときは、歯列矯正中でもできるセルフケアを心がけましょう。
日常生活の中でほうれい線のケアができる方法を紹介します。
■表情筋を鍛えるトレーニング
頬を支える表情筋を鍛えるため、簡単なトレーニングを継続して行いましょう。
皮膚が乾燥している状態では逆効果になりかねないため、しっかり保湿をして、肌を潤してからトレーニングをしてください。
口を閉じたまま、歯茎に沿って頬の内側を舌で大きくなぞっていく「舌回しトレーニング」がおすすめです。
右回り、左回りで10回ずつ、慣れてきたら20回を目指して行います。
ただし、裏側矯正の場合は矯正器具があるため、舌を傷つけないように注意してください。
大きく口を開けて「あ・い・う・え・お」と発声したり、よく噛んで食べるのを意識するだけでも、普段なかなか使わない表情筋を鍛えることにつながります。
■マッサージ
マッサージをするのも、ほうれい線予防におすすめです。
入浴後のスキンケアと合わせて、肌が柔らかくなっているときにおこなうと効果が期待できます。
口元や顔を中心に、優しくマッサージして血行を促しましょう。
頬だけでなく、こめかみや耳付近も、気持ちいいと感じるくらいに指の力を調節してほぐしましょう。
首すじやデコルテも一緒にマッサージすると、血行が良くなります。
あまり強い力でこすると、皮膚が擦れて傷ついてしまう可能性があるため、優しくなぞるようにするのがいいでしょう。
■紫外線対策・スキンケアの見直し
歯列矯正に限りませんが、紫外線対策とスキンケアはほうれい線予防の基本です。
紫外線は肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンを破壊してしまうため、日焼け止めや紫外線防止グッズを使用して、ダメージを防ぎましょう。
また、肌の乾燥は老化を加速させてしまう恐れがあるため、スキンケアの見直しをするのもおすすめです。
保湿を徹底して、乾燥しやすい口元は特にケアを忘れないようにしてください。
洗顔後は時間を空けずに、すぐに化粧水や乳液、保湿クリームなどを塗って、乾燥させないように意識してケアします。
肌が潤いを保つことで、ほうれい線が目立たなくなる予防につながります。
■食生活の改善・生活習慣の改善
肌への影響が考えられる食生活や生活習慣の改善を心がけて、ほうれい線を予防しましょう。
歯列矯正中は食べ物に制限があり、栄養バランスが偏ってしまう可能性が高いため、注意が必要です。
食べやすい食材ばかりでなく、タンパク質やビタミンCが不足しないように、バランスを考えた食生活を心がけてください。
また、睡眠不足やストレスは、肌へ負担がかかり老化の原因になってしまう可能性があります。
歯列矯正中は痛みがあったり、矯正器具が着いている負担があったりして、睡眠不足やストレスが溜まりやすい状態です。
睡眠の質を上げる工夫や、ストレス発散などを意識して生活しましょう。
■ほうれい線への影響が心配な方は名駅大森ピア歯科・矯正歯科へ
名駅大森ピア歯科・矯正歯科では、お気軽に利用できる矯正無料相談を実施しております。
費用や期間などの疑問から、歯並びの悩み、歯列矯正中の見た目に関しての質問など、なんでもご相談いただけます。
インビザライン・ワイヤー矯正・裏側矯正に対応しているため、ご要望に合わせて相談しながら治療方法を選択することが可能です。
どのようなゴールを目指すかによって、人それぞれ適した矯正方法は異なるため、丁寧なカウンセリングを重視しております。
また、3D画像診断や3D口腔内スキャナーを使用した精密検査により、実際にどのように歯が動くのかシミュレーションを行って、わかりやすく説明させていただきます。
歯列矯正によるほうれい線への影響が心配な方は、ぜひ名駅大森ピア歯科・矯正歯科へご相談ください。
■まとめ
個人差はありますが、歯列矯正で抜歯しても、多くの場合ほうれい線に大きな影響はありません。
ただし、口元の皮膚が余ることで、皮膚がたるむという可能性はあります。
ほうれい線が気になる場合は、セルフケアをすることで改善も期待できます。
歯列矯正で後悔しないためには、事前に矯正歯科医としっかりコミュニケーションを取ることが重要です。
歯列矯正中や終了後にほうれい線が目立つことにならないか、口元の印象はどう変わるのかを、カウンセリングで確認して、治療計画を理解したうえで歯列矯正を始めましょう。